アメリカ
アメリカはこれまで都会ばかりのイメージなのと、銃社会であることを嫌って興味はなかった。
でも司馬遼太郎の『坂の上の雲』で、秋山真之がアメリカに派遣された時の、若々しいアメリカの描写がとても印象的で、当時は本当に自由で活気に溢れた国だったんだろうなという印象を抱き、ちょっと考えが変わってきました。
また、世界で最も影響力のある国でもあるし、その社会や文化に触れないではいられないだろうとも思うようになりました。
現在はトランプの出現などで変貌しつつあったり衰えつつあるのかもしれないけれど、それでも、だからこそ見なければならないかもしれません。いつか自転車で走れたらとは思うのだけど、やっぱり銃が怖いな…。
○歴史
1607年5月、イギリス人105人が現在のバージニア州ジェームズ川下流の川中島に植民地を作り、当時のイギリス国王ジェームス1世にちなんで「ジェームズタウン」と名づけた。
1620年12月、マサチューセッツ州プリマスに、イギリスから信教の自由を求めて清教徒がわたってきた。上陸に際して彼らは、人々の同意による新しい政府を目指すことを誓った。
その後西ヨーロッパから植民者が次々に移住し、13の植民地(州)が成立。
それぞれ代議制の植民地議会が設けられ、また独立宣言には、当時のヨーロッパ思想反映した天賦人権論や社会契約論が明確に示されていた。
これらから日本では「合衆国」=民衆の合議による国という訳となった。
現在、外交や国防の他、広範囲にわたって連邦の権限が強められている。しかし教育などは各州の権限に属しており、州の力は日本の都道府県の比ではない。
○メガロポリス
アメリカ合衆国北東部、ニューヨークを中心にボストンからワシントンD.C.までの大西洋沿岸の都市群のことをいい、周辺の衛星都市を含め、全長約 700 km に渡る都市群が形成されている(米国のこの地域については北東回廊とも称される)。英語でのスペリングは「BosWash」で、北端であるボストン (Boston) の「Bos」、南端であるワシントンD.C. (Washington, D.C.) の「Wash」を組み合わせてできた言葉である。ここに含まれる主な大都市圏は、北東から南西方向に、ボストン・ハートフォード・ニューヨーク・フィラデルフィア・ボルティモア・ワシントンD.C.などである。アイビーリーグの大学やその他の主要な大学・研究施設も多くあることで、学術面での集積もみられる(wikipediaから)。
○経済・農業
自動車の中心地はデトロイト。ビッグ3のGM、フォード、クライスラーがある。
しかし近年デトロイトは揺れている。
1980年代、日本社製自動車のアメリカへの大量流入によってビッグ3は経営不振となった。
また、自動車産業だけでなく、経済のグローバル化は五大湖沿岸の工業地域を変化させている。
五大湖沿岸はかつてはその水運から発展したが、資源が少なくなり海外から輸入するようになった今日、この地域が冷帯であることも含めフロストベルトと呼ばれるほど寂れてしまっている。
「サンベルト」
かつて「貧困」「人種差別」といった言葉で語られてきた南部は、今では輝かしい「サンベルト」と呼ばれている。
その理由として、貧困に悩む南部諸州の州政府が、この状況を改善するためにハイウェーの整備や優遇税制などで企業誘致をした。
政府も1930年代になってTVA(テネシー川流域開発公社)を設立するなど、南部開発を始めた。
第二次世界大戦、冷戦時には軍事産業が南部に集中。
航空宇宙産業も、フロリダ州ケープカナベラルやアリゾナ州ハンツビル、テキサス州ヒューストンなどに集積。
これらの産業は先端科学技術産業の頂点に立つものであり、エレクトロニクス産業などが発達することになった。
「資源」
石油や天然ガスに恵まれている。
メキシコ湾油田、カリフォルニア油田などがある。
プレーリー
はるか地平線まで続く小麦畑。世界のパンかごである。ロシア移民が小麦栽培を始めた。
降水量が少なく、干ばつやダストボウル、竜巻など自然災害に苦しんだが、豊かな地下水を利用できるようになってから生産は安定。
また20世紀の機械化技術によって著しく発展。
○新しいアメリカは南部から
今日、徐々に黒人の待遇改善の動きは進み、活躍の場は広がってきているが、まだまだ解消されていない。
人種別に貧困率を見てみると、黒人は白人の約2倍。大学卒業者も白人が約2割なのに対し、黒人は1割強。まだまだ差がある。
この問題が一層明確なのが南部諸州。
人口に占める黒人の比率は、全米平均で12%に対し、南部のミシシッピ州、ルイジアナ州では30%を超えている。
そしてこれらの州では他州に比べて貧困率が高い。
しかし、差別や貧困を克服しようとするエネルギーは、時に優れた芸能、文化を生み出す。
ジャズは黒人文化と白人文化のぶつかり合いの中でこの地で生まれた。
差別や格差を越えて、白人と黒人、さらにヒスパニックの融合が進んだ新しいアメリカが、この地から生まれるかもしれない。
○大西洋岸から太平洋岸への重心移動
今日、人口重心は大西洋岸から太平洋岸へと徐々に移動している。
ロサンゼルスは人口380万人を超え、ニューヨークに注いで全米第二位の都市となった。
アメリカはアジア太平洋地域との連携を強めている。
1989年にはアメリカ、オーストラリア、韓国、日本など12カ国とAPEC(アジア太平洋経済協力)を発足させた(現在21カ国が参加)。
TPP(環太平洋パートナーシップ)は、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、チリの4カ国で発足したが、アメリカ、オーストラリア、ベトナム、マレーシア、ペルーとともに加盟することで大枠合意がなされている(トランプによってアメリカは離脱!?)。
また韓国との間でもFTA(自由貿易協定)が締結されている。
中国との貿易も拡大しており、輸入は隣国メキシコ、カナダを抑えてトップ。
by osho-kamonegi
| 2017-01-30 08:27
| 勉強(世界地理)