シンガポール
昔,父親が出張で行ったことがあるというのを聞いたくらいで,ほとんど知らない国。マーライオンくらいしか知らない…。
何となく,経済的に裕福で治安が良さそうといったイメージくらいしかない。いったいどんな国なんだろう。
○地理,民族
マレー半島の突端にあり,淡路島くらいの大きさの国。
人口は484万人,人口密度は6800人/㎢を超える超過密都市国家。
19世紀初め,英人ラッフルズが首長より買収し,
インド・中国貿易への港を建設したのが始まり。
その後イギリスの直轄地になった。
マレー半島のすず鉱の採掘,天然ゴムのプランテーションが開始。
20世紀にはイギリスの軍事基地として発展。
1963年,マレーシア連邦の一州として独立。
マレー人優先主義をとるマレーシア,華人が多いシンガポールとの間で対立が深まる。
1965年,マレーシアから分離独立。
先住民のマレー人,支配国のイギリス人,移民労働者の中国人・インド人が居住。
現在では中国系華人が4分の3を占める「華人国家」として知られているが,民族間の均衡をどう保つか課題。
○経済
地下資源は皆無。
植民地時代から,東西海上交通の要衝マラッカ海峡を背景に,中継貿易地として発展。
独立後は,外国資本と技術を積極的に導入して,輸出指向型工業へ転換。
失業者は減少したが,労働力不足が問題になる。そのため,高賃金政策を導入。
電機・衣料などの労働集約型産業は他のASEAN諸国へ転出。
国内は電子工業や情報産業など付加価値の高い産業が成長。GNI(国民総所得)も先進国と同等かそれ以上に。
1992年,AFTA(ASEAN自由貿易地域)構想。2015年までにASEAN地域内の関税率がほぼゼロに引き下げられることとなる。
2012年, ASEANと中国など5か国(中国,韓国,インド,オーストラリア,ニュージーランド)とのFTA(自由貿易協定)が発効。これら
の国と分業関係が容易になり,ASEANは国際社会への影響力を強めている。
・アジアの国際金融・観光センター
中継貿易として繁栄してきたことにより,国際的なネットワークを持つ銀行が集中。
アジアの資金調達市場へ発展。
また,2005年にはカジノ合法化を決定。2010年に二つのカジノリゾートがオープン。
※マラッカ海峡(マラッカかいきょう、英語: Strait of Malacca、マレー語: Selat Melaka)
マレー半島とスマトラ島(インドネシア)を隔てる海峡。南東端で接続しているシンガポール海峡とあわせて太平洋とインド洋を結ぶ海上交通上の要衝となっている[1]。2005年における年間の通過船舶数は9万隻を超え、タンカー、コンテナ船など経済的に重要な物資を運ぶ大型貨物船が海峡を行き交う。経済的・戦略的にみて、世界のシーレーンの中でもスエズ運河、パナマ運河、ホルムズ海峡にならび重要な航路の一つである。